残念ながらロビーでは雪さんに会うことはできなかった。 それでもなにかスッキリした顔をして店を後にした様子を見て私は少しだけほっとした。 「…新入り、お疲れ。初仕事はどうだったよ?」 ロビーに戻ると支配人が待ち構えていたかのように私に話しかけた。 「…はい、まあまあかなと思います。」 「そうか。あの社長にきにいられるのはなかなか大変なことだ。この調子で頑張れよ。」 「はい。…ありがとうございます。」 「…そうそう名前はえーっと……?」 「髙宮です。」