私の心を奪った王子様【短】


大樹side

「うっ...っておい!」

目の前には実愛の顔。

ったく...

おまえは俺を狂わせる天才かっつーの。

「大樹!
大丈夫⁉︎」

「ああ」

「急に倒れちゃうから...
ねぇ、なんか私にできる事ない?」

...ここはちょっとからかってやろう。

「...じゃあ、キスして?」

「へっ⁉︎」

予想通りの反応。

「き、き、キスなんてできるわけないでしょ⁉︎」

ったく...

世話の妬けるヤツだな...

「俺、実愛のキスがないと明日から学校行けねぇんだけど...それでもいい?」

ここまで言えばしてくれるだろ。

...たぶん。

「それは嫌だけど...」

「じゃあ、キスして?」

「っ...///
分かったよ...」

マジか、おい。

俺まだ心の準備できてねぇんだけど。