不良君とオカルトさん。

「ちくしょう…テメェ、絶対ェぶっ殺す。」

鼻血を出しながら、呻く金髪。ちっ、しぶとい奴だぜ。
奴は三流悪役よろしくバタフライナイフを取り出し、俺に向かってきた。

だが、素直に刺されてやる程俺はお人好しでもない。

ヒョイとナイフを避けると、思い切り顔面に拳を叩き込んだ。
金髪が豚みてぇな声をあげて倒れこむ。
鼻血が付いちまった。くそッ。

「俺は忙しいんだよ。じゃあな」

カバンと上着を引っ掴み、俺は死屍累々の屋上を全速力で後にした。