ーふと目が覚めた。
雨音が遠くに聞こえる。
しばらくぼんやりとしていたが、ここが見知らぬ場所だということに気が付いた。
私は狭い部屋の真ん中で、布団に寝かされていた。
ここはどこだろう?
早く元の場所に帰らなきゃ...と立ち上がった時、自分の目線の高さに驚き転倒した。
なんだろう、この違和感は。

すると物音に気付いたのか、人がかけてくる音がした。

「あっ、目、覚めたんだっ!」

ガラッと襖をあけて入ってきたのは、可愛らしい男だった。
誰だこいつは、という目をしていたのに気づいたらしく、男は自己紹介をしてくれた。

「あ、お、俺、弥太郎っていうんだ、怖がらないでよ、ごめん」

男ー弥太郎の話では、私は外に倒れていたらしい。
それで慌てて家に連れ込み、暖を取らせていた・・・といったところだ。

「ね、名前教えてよ。これも何かの縁だろうし。」

名前ぐらい、と思った時。