ドンッ……。


「いった…、て、何すんの!?」


気がついたら私は竹中蓮に……いわゆる壁ドン、をされていた。


「うるせぇ、静かにしろ」

「……」


あまりに動揺しすぎて、言葉を失ってしまう。


「な、なんの用よ」

「なぁ、お前。」

「今日から、俺の彼女になれ。」

「は、……はあぁぁ!!??」

「これは命令だ。

 お前に拒否権なんてない」

「いやいやちょっと待ってよ。いきなりそんなこと言われても」

「なんだ、嫌なのか?」


「嫌ってゆーか……。

 無理に決まってんじゃん」

「じゃあお前は、さっきされたこともう一回やってほしいんだな?」


さっきされたことって……キスのこと!?


「む、無理無理無理無理!!!!!!」


いくらイケメンでも、それは絶対に無理!!


「ま。そーゆうことで。

 俺はもう帰る。じゃあな」

「あ、ちょ……」


竹中蓮は、そのまま本当に行ってしまった。

(何だったんだろ……今の。

 何でいきなり付き合えって?好きでもないのに。意味わかんない。)


もやもやしてたけど、とりあえずトイレの前へ戻った。