___始まりは、一枚の空の写真だった。




お父さんに連れられて来た市の写真展覧会で、私は一枚の写真の前で足が動かなくなった。




まだ微かに残る青が夕暮れのオレンジに変わっていく様を納めた写真……。



その余りの美しさに私は呼吸をするのも忘れて、その写真に見入った。





「……きれい…」




ポツリと溢した声にお父さんが気付いて優しく微笑んだ。

頭に手を乗せて、私に写真を撮った人の名前を読み上げてくれる。














____それ以来、私はずっと彼を探していた。





あの美しい写真を撮った同じ年の少年__永山 真君を…………。