図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー

白川さんは、オレを両手で突き飛ばした。


細くて虚弱な雰囲気の外見からは


想像もできない、すごい力だった。


オレは、ドンと壁に背中をぶつけた。


思わず言葉を失って、オレは白川さんを見た。


紙のように白い顔をした白川さんは、一瞬オレを


見た後、すごい勢いで走り去って行ってしまった。


かっこわる…。


冷静になった頭で、オレは自分を省みる。


なにやってんだ。


白川さんに欲情したのか?


違う。



違う。



これは、八つ当たりだ。



その日から、オレは図書室に行かなくなった。