図書室の白川さんー星ヶ丘高校絵巻ー

「もっと、楽しいことしたいとか思ってんだろ?」


こんなこととか、そう言ってオレは白川さんの


手首をつかんで引き寄せた。


「こんなことしたい、とか思ってんだろ?」


白川さんとの距離が急速に縮まった。


白川さんは、ぎょっとしたように小さな目を精一杯開いていた。


それ以上のことはする気がなかった。


ただ白川さんを驚かせてみたかった。


泣かせてみたかった。



それは、小さな男の子が、好きな女の子にちょっかいをかける


感じによく似ている。



別に白川さんに恋愛感情を持っていたわけではない。


たぶん。