つけがまわってきた、と思った。


中学時代、そこそこ勉強して今の高校に入った。


偏差値が高いから、校則もゆるく、オレは自由だと勘違いした。


髪を染めてカッコつけたら、女もよってきた。


彼女もいたけど、適当にほかの女とも遊んだ。


セックスは気持ちよくてサイコーだった。


楽しかった。


だから、これがオレの全部でいいじゃん、なんて思っていた。


面倒くさいことも、ちゃんと考えないといけないことも


後回しにした。


だから、そのつけが回ってきたんだ。


これから、オレはちゃんと自分のことを考えないといけない。


幸か不幸か、とーさんもかーさんもオレを信頼してくれている。


偏差値の高い高校に通っているせいだろう。


不純異性交遊しているなんて、これっぽっちも思っていないはずだ。


ムシのいい話だけど、とーさんとかーさんの期待は裏切りたくなかった。


オレ、長男だし。


突然、広い荒野に放り出されたような不安に襲われる。


白川さん。


白川さんは、どうするんだろう。


きっと、ちゃんと考えているはずだ。



制服をきっちりと着るように、進路のことは将来のことも


きちんと考えているに違いない。


相談してみようか。


笑われるかな。


そんな風に思っていた時、制服のズボンのポケットが振動した。