チュウ、とコミカルな音を立てて秀真が

ストローで牛乳を吸い込む。


夏服を着た秀真は、牛乳がほんとうによく似合う。


健康優良児って感じだ。


相変わらず胡散臭いけど。


「みつる、お前最近昼休みどこ行ってんの?」


牛乳パックをくしゃっとつぶしながら、秀真が言う。



「んー、オレ?図書室。」


としょしつぅ!?


と素っ頓狂な声をあげて、秀真が大げさに驚く。


「てっきり彼女と不純異性交遊してんのかと思ったわ。」


「あー、それねー。最近、ご無沙汰。」


「なに、ケンカでもしたの?」


「ケンカっつうかさ、なんかちょっと面倒くせーなーっていうかさ…。」


またまたぁ、と秀真がオレの肩をどつく。


「みすずちゃん、だっけ?いい子だったじゃん?かわいいし。」


「まー、かわいいにはかわいいんだけどねぇ。」


オレはへらりと笑ってはぐらかす。



かわいいし、好きよ。


でも、なんだかなぁ…。


ヤりたくないっつったら、嘘になる。


だけどそれだけじゃ、ね。


そっれだけになってしまうと、まじヤバイよ。


って、オレの中の何かがブレーキをかける。


男子って意外と繊細な生き物なのですよ。