突然だが俺は歌が好きだ
自分の感情を率直に歌ってくれる
辛い時も嬉しい時も、楽器一つ一つが音を鳴らしそれに応えるように歌う
楽器達も歌い、人間も応えて歌う
その素晴らしいハーモニーが俺は好きだ




世の中にはたくさんの曲達が居るが、そのどれもが違った曲で、こんなにも曲が多いのに重なることのない曲が凄いと俺は率直に思った





突然俺がそう言い出したのは言うまでもない
俺もまた、その曲達を弾く人なのだから
趣味で始めた俺は、俺の奏でる楽器がまるで俺の代わりに歌を歌ってくれる





もし俺が楽器なんてやって居たら、俺の築き上げた猫が、その楽器で壊れてしまうような気がした
だからあいつが来る前に、もしものことがあったらと言うことで隠す場所がある
そこはちゃんと鍵がかけられていてあかないようにしてあるが





いざばれてしまうと怖いので、その扉に読み終わった書籍と紙に書いて鍵の部分を隠してある
俺の部屋は割と広い方だが
楽器をしまうその扉が大きくて、まるでどれだけの本を読んだら気が済むと言う始末である
そしてその扉の隣には大きい本棚がある
もうひとつ本棚が欲しいがその本棚の横に、もう読まないであろう本を入れるダンボールが規則正しく積み重なっている





そしてその魔の扉が開けられるぐらいのスペースを置いて俺の机がある
机の本を置くスペースは、参考資料やら色々な辞典、ようは勉強資料の溜まり場であった
机の上には基本何も置かない俺だが、時として資料がたくさん置かれる
その机の引き出しを開けると、未開封のカロリーを補給するあれが数え切れないほどある
その奥にいつも魔の扉の鍵を隠している





本棚の向かい側の壁にはシングルベッドが置いてあり、その壁には喚起する窓がある
そして僕は母親にいらないと散々言ったが、これで楽でしょ?と言うことで32インチの液晶テレビも設置してある




ベッドの横にはクローゼットとタンスが置いてあるが、それでも5〜6人くらいの座れるスペースがある
僕にしたら、豪華好きて、好きなものがたくさん置いてある、ただ一つの僕だけの部屋だ




ぱっと見綺麗な部屋だが本がありすぎる部屋だ
そんな部屋の真ん中に、楽器は置いてあった
それを帰ってから片付けなければならない





学校が終わり
花宮は一旦家に帰ると俺に告げ、俺は急いで部屋の片付けに専念した
片付け終わると、僕は安心したように胸を撫で下ろし、昼食を作ることにした
花宮もうちで食べると言うことなので二人分の昼食
あらかじめ部屋に置いてある折りたたみ式の机を真ん中に置いて、座布団を二つ向かいに置いてある





後は奴が来て昼食を食べ、勉強するだけだ
昼食を作り終わると同時に花宮はうちの玄関の鍵を開け、お邪魔しますといいうちに上がり込んで来た





そして無事に昼食を食べ終え、いざ俺の部屋へ向かう時
俺は仕切りにトイレに行きたくなり、トイレに向かった





それが俺の失敗だったと言えるであろう
俺が自分の部屋の扉をあけ、絶望した




奴は魔の扉を開けており、俺の親友の楽器を肩にかけ、以下にもミュージシャンみたいな格好をしていた





「これ、なんて言う楽器?」


















俺は一瞬硬直した