しばらく天井を見上げ、なぜこんな所にいるのか考えてみた。

というより、自然に浮かんできた。

あの日私は、車に撥ねられたのだ。
確か、青信号の横断歩道だった。
隣には誰かいた気もするが、はっきりとは憶えていない。

ものすごく大きな音を聞いた気がする。
きっとあれは、車のクラクション。

その先の記憶は無い。

痛みを感じた覚えすら、消えて無くなっていた