「た…だ…い…ま」

うまく声が出せなかったけど、思わず言ってしまった。
きっと彼は私の大切な人に違いないから。

すると、彼の長い腕がすっと伸びて私の頭を撫でた。

涙目の優しく、暖かい笑顔を降らせながら。