さくら

ポツリ、ぽつり、彼の言葉が降ってくる。

「さくらは本当に俺のことわからないんだよな?」

「俺らがどこで会ったのか、どんな話をしたのか、知らないんだよな?」

「事故の原因もわからないんだよな?」

私はただコクンと頷いているだけだった。
質問の一つひとつが胸を突き刺して痛い。

傷つけるってこういうことか。

私は不思議なくらい納得して落ち着いていた。


4つ目の質問。
いろんな意味で衝撃的だった。


「それでも"まだ"俺のこと好き?」


初めに走った衝撃は好きか?と聞かれた動揺。
好きかどうか自覚したことない相手に突然聞かれたのだから、当然と言えば当然だ。

頭の中で彼の言葉が巡る。


「"まだ"俺のこと好き?」

………。