さくら

ポツリ、ぽつり、彼の言葉が降ってくる。

「さくらは本当に俺のことわからないんだよな?」

「俺らがどこで会ったのか、どんな話をしたのか、知らないんだよな?」

私はただコクンと頷いているだけだった。
質問の一つひとつが胸を突き刺して痛い。

傷つけるってこういうことか。

私は不思議なくらい納得して落ち着いていた。