「どうして、泣いてるの?」

彼の頬をそっと撫でて問いかける。
その問いの返事は返ってこなかった。
代わりに彼からも問いが降ってきた。
まるで希望を持っているような、輝いた目だった。

「…俺がわかるのか?」

黙って首を横に振る。

一瞬で彼の目の輝きは消えて、"やっぱり"という諦めと、絶望が溢れた。