どんな人かわからないけど、不思議と怖い感じはしない。
それはきっとこの音の持ち主だってわかったから。
優しく「おかえり」って言ってくれた人だから。
「私、ゆうと君に会いたい」
「あいつ、毎朝9時にこの病室にくるよ?」
裕乃ちゃんはまだニヤついたままだ。
理由はなんとなくわかるから聞かないことにする。
一応言っておくけど、別に好きとかじゃない。
少し気になるだけ、だだそれだけのはず。
会って話をして、彼がどんな人なのかもう一度知りたいだけなんだから。