この窓の外に見える、桜の花びらの様に淡いピンク色のキモチをいたる場所で感じる。


私には無縁な気持ちだから、きっと余計に。


季節は春。


天気も良い。


新学期が始まったばかりで、新しい教室、新しいクラスメイトに何時もより新鮮な空気で満ちている筈なのに、どんよりと真冬の雨雲を背負っている私。


浜崎海音。十七歳、高校二年生。


他人の瞳を見て会話するのは苦手。


逆に見られるのはもっと苦手。


相手はどんなことを考えながら私を見ているのかな……なんて考え出して、出てくる事はネガティブな思考ばかり。


だから、友達作りが苦手。


実際、このクラスに友達と呼べる人はいません。