そして、


「じゃあ、行くぞ」


そう言って、自然と差し出される月島先輩の手をそっと握る。


良かった。

そう何度思っても足りない。

良かった。

また、この手を取ることが出来て良かった―…


「お」


「月島先輩?」


「空」


「そら……?」


見上げると、


「あ―…」


雨上がりの空に七色の虹が架かっていた。