泣いて。

泣いて。

泣き続けて―…どれくらいの時間が流れたのかな。

私は雨の中、海辺で、そのまま蹲り泣き続けていた。


「……」


顔を上げると、何時の間にか雨が止んでる事に初めて気付く。

風も静かに吹いてる。

目の前には何時もの海もある。

月島先輩と初めて出逢った海。


〝綺麗な声してるね”


月島先輩に言われた言葉を思い出す。


良かった。

全てがなかったことになるなんて言っていたから、私の記憶まで消えちゃうんじゃないかって少し不安に思っていたけど、私の中の月島先輩との記憶は消えていないみたい。