「一昨日の放課後に―…声を……かけられました……」


そう私が話すと、


「……」


月島先輩は無言になる。

すぐに言わなかったこと、怒ってるのかもしれない。

その沈黙が私の不安を余計に煽る。


「せんぱい―…その……」


「そんな事だろーと思った」


はぁっと、溜息をつく月島先輩。


「で、何か言われたのか?」


「何か―…」


ここで仮に私が波風を立てないようにはぐらかしても、月島先輩はすぐに察すると思う。


「三年前のことを―…」


私はただ、それだけ伝えた。

そう言えば月島先輩なら大体を悟ってくれると思ったから。