月島先輩の隣り。

大げさだけど、何だか物凄く久しぶりな気がする。


「海音」


月島先輩がさりげなく手を差し出して、私も、そっとその手を握る。

この手を握ってしまうと、罪悪感だとか月島先輩の本当の気持ちだとか―…考えなくちゃいけない事を忘れたくなる。


「どうした?」


「えっ?」


「元気がない気がするから」


「そ……そんなことないですよ」


ドキッとした。

やっぱり、私ってすぐ顔に出ちゃうんだ。

そんな私に、


「綾のことなら、気にすることないからな」


と月島先輩が言う。