「そーそー。海音ちゃんは、その辺気にしないで楽しんで歌ってよ」
「うん。あまり固く考えなくていいから」
「は、はい」
「じゃあ、次は他の二曲を通すか」
芹沢先輩が小栗先輩に合図を出すと、カウントが始まって激しい音が一気に私を包む。
不思議-…
やっぱり、何度考えても不思議な感じ。
学校の透明人間が一番眩しい人達とこうして同じ時間を過ごしているなんて、不思議。
しかも今の私は魔法にでもかかったように、以前の自分とは違ってる。
―…そうだよ。
〝魔法の時間”
これは魔法の時間なのかな?
お伽噺だと魔法が解ける瞬間が来る。
永遠の魔法なんて、きっとない。
だからこそ、その魔法が解ける日が何時か来るんじゃないかって不安になる。

