「お~いいじゃん、海音ちゃん!」
「うん。声も出てるし、ちゃんと俺達の音も聞けてる」
一曲ロックなナンバーを歌い終わると、そう言って芹沢先輩と小栗先輩が誉めてくれた。
「上手く出来てましたか……わたし」
「上出来上出来!これなら全然イケるよ!」
やっぱり息が上がるけど、まだイケる気がする。月島先輩が組んでくれた体力トレーニングを真面目にした成果かな、と思う。
後は……
「お客さんを前にして、ちゃんとステージで歌えるかな……」
そう。一番の不安はやっぱりそれ。
日陰の人生を送ってきた私が目立つことをするなんて、本当に大丈夫かな、と自分で自分を心配してしまう。
会場がライブハウスなんだから、やっぱり盛り上がらないといけないだろうし、棒みたいに突っ立って唄を歌うだけじゃ、みんなをしらけさせてしまいそう。
「客を煽るのは陽にでも任せておけばいいよ。頼まないでも勝手にやってくれるって。海音は楽しんで歌えばそれでいい」
ぽんっと私の頭に手を置いて、心情を察してくれるかのように励ましてくれる月島先輩。

