そして、また鏡を見れば垢抜けた自分の顔がある。

ユリさんにしてもらったメイクは落ちた筈なのに、私ってこんな顔をしてたんだ……って改めて思ってしまう。

朝目が覚めて絶世の美女に、ではなかったにしろ、こんなに突然イメージチェンジする事が出来るなんて、やっぱり、

〝先輩と並んで歩いても不自然じゃない様に、可愛く”

って願ったから?


「やっぱり本物……?」


瓶の中の真珠を凝視して呟く。

じゃあ、もし。もしも、


“月島先輩の彼女になりたい”


って願ったら、本当に彼女になれたりするの?

でも、


「だ、だめ!だめ!」


いくら何でも、そんな私の一方的な願望で彼女になってしまったら月島先輩に悪い。

そういうのは違う気がする。

あの月島先輩とこんなにも近づけて嬉しい筈なのに、この力が本物かもしれないと思う程に罪悪感も―…感じてしまう。

でも、あんな風にキス―…されたら、意識しないほうが無理だ。