一つ、一つのユリさんの言葉が、じわりじわりと心に染みていく。
「直ぐに一気に変わろうなんて思わなくていいから、少しずつ変わっていけばいいの。ほら、ここに響に連れてこられたのだって、良いきっかけじゃない?」
きっかけ……かぁ……
私、少しずつでも変わっていけるかな……?
「ありがと……ござい……ま……」
ポロポロと雨粒みたいな涙が零れてきた。
だってね、誰かが、こんな風に背中を押してくれる瞬間を待ってたような気がしたから。
「や、やだぁ~、海音ちゃん泣かないで!」
ユリさんは慌てて、私にハンカチを差し出してくれる。
「す、すみませ……」
ハンカチで目頭を押さえる私。
すると、
「何、泣いてんの?」
と、部屋の出入り口の方向から声がした。
「あら響、今ちょうど終わったとこよ」
ユリさんの声に〝えっ”って反応してしまう。振り向くと、
「ユリ、お前が泣かしたんじゃないだろうな」
そんな言葉が。月島先輩だった。

