起き上がった私は手鏡を取って、自分の顔を見てみた。


「何時も通り……」


暗くて、冴えない顔の私が写ってる。

昨日、可愛くなりたいって願い事をしたから、もしかしたら朝起きたら何か変化が―…なんて期待をしてしまったけど変わってない。


「はは……さすがにそんなに都合良いことが続くわけないよね……」


やっぱり願いが叶う真珠なんてある訳ない。

となると現実をもっと考えないといけない。

十時には月島先輩と待ち合わせになってるから、少しは見栄え良くしていかないと先輩に恥をかかせてしまう。

先ずは何を着ていくか、って事から考える。

だけど、クローゼットを覗けば、地味で似たような色合いと無難なデザインのものばかり。

というか、


「コレ……何時着てた服……??」


何年前も前からそのままになってる服もある。