また、流れ始めるメロディー。
画面に映る英語の歌詞。
ママが昔、よく歌っていた曲だ……
ふと、幼い頃を思い出した。
パパの手が私の左手を、ママの手が私の右手を握って、三人並んで浜辺を歩く情景だ。
お母さんが寄せては返す波の音を伴奏にして、歌を口ずさむ。
雨上がりの浜辺。
空を見上げると、美しい虹が架かっていた。
ママの歌とリンクする―…音、光景、覚えてる。
両親が離婚して、写真や所持品-…ママの思い出はパパが全て何処かへやってしまったみたいだけど、唯一、私の中に残ったママとの繋がり。
そうだよ。
だから私は唄が好き。
そして、その大好きな唄を歌っていた瞬間、
〝人魚が唄っているかと思った”
〝綺麗な声”
出逢えた、素敵な男性。
フラッシュバックする様に、あの日の月島先輩の微笑みが瞳に映る。
また、あの笑顔に会えたらいいな。
そう思うと、自然に気持ちが落ち着いてくる。
流れていくメロディーに合わせて、自然と歌声が出ていた。

