『…何があったの?』
「もう、やだ…」
いつもは内山先輩と帰るはずの澪華が私と夏穂の腕を掴んでスタスタ、と歩いてる。
『内山先輩に会ったの?』
「朝…姫依と別れたあとに…」
「それで…どうだった?」
夏穂の質問に澪華は"ダメだった"と言った。
『ダメって…話してないの?』
「…私と晃ちゃん、別れると思う」
突然別れる、と言った澪華の目には涙が。
『…内山先輩、どこにいるの?』
「ダメっ。晃ちゃんは悪くない…悪いのは…」
"悪いのは…"今回の二人の喧嘩の原因となった女の子だと。
"あんたが晃の彼女?悪いけど晃と別れて。私は晃が好きだし、晃も私が好き。意味わかるよね?"
こう言われたらしい。
「ねぇ、そいつ誰?」
「え…確か…"美沙"って呼ばれてた」
「澪華。」
澪華の肩を掴んだ夏穂の顔は真剣だった。
「いい?絶対にそいつに内山先輩、渡しちゃダメ。」
その美沙ってやつのこと知ってるの?夏穂。
『夏穂の言う通り。』
「夏穂…知ってるの?」
「うん、友達がね…彼氏とられたって言ってて。そいつ、"欲しい"って思ったものはどんな手を使ってでも手に入れる女って言ってた。それに飽きたらすぐに捨てる、とも。」
最低、そんなの…
その話を聞いて澪華は
「…や。絶対にそんな人に晃ちゃんとられたくない。私の方が好きだもん」
って言った。
頑張れ、澪華…。

