初恋~君が好きでした~



『あの、ね。』

「改まってどうしたの?」
次の日の昼休み。お弁当を食べながら昨日のことを打ち明けた。

『気になるだけ、ってのは恋、になるの?』

「そうだなぁ…その"気になるだけ"っていう度合いにもよるけど…好きの一歩手前だと私は思ってる」

『夏穂…』
ありがと、大好き…

「できたの?気になる人」

『え、いや、うん?』

「私に聞くな」

『だってわかんないんだもん』
ほんとにわかんない…

「まぁ、大事にしなよ、その気持ち」
いいのか、大事にして。
だって相手は…山原先生だよ?

『はっきりしてから誰かは言うね』

「楽しみにしてる。」

『夏穂はどう?』

「ん、これから頑張ろ、って思って」

協力するからね、とだけ言って私は授業の準備をした。