恋は人それぞれだと思うの。
年上だったり年下だったり…
…好きになっていけない人とか…
─恋は自由─
「おはよっ」
『おはよ』
「ねむーい…」
前から気になっていたこと。
『…帰りは一緒に帰るのに朝は一緒に行かないの?』
「晃ちゃんには晃ちゃんなりの付き合いがあるでしょ」
『澪華が遠慮!?』
「意外、みたいな顔しないでよ!私だってするよ!?」
チッ、バレた。
『はいはい。』
「あ、澪華、姫依おはよ」
「おはよー!ってあれ?夏穂、元気ないね」
相変わらず鋭いな、君は。
『だから今日は静かにしていてね』
「その口調はなにか知ってるな…?」
まぁね、とだけ言って澪華と別れ、夏穂と教室に行った。
『で、どうなの?』
「わかんない……」
『そんな弱気な夏穂、夏穂じゃないよ?』
「この私だって私だよ!何も知らないくせに…」
泣いてしまった夏穂の手を取り私はある場所に向かった。
『んー、やっぱり気持ちいいなぁー 』
「…うん」
『確かに私はあんたの過去なんて知らない。もちろんこの先の未来も。でも今の夏穂は知ってる。誰よりも知ってる自信あるし。』
「…うぬぼれんな、バカ…」
ストレートだなぁ、おい。
『でも、合ってる。違う?』
「…合ってる。」
『ほら。』
私は夏穂の頭をなでた。
『授業サボっちゃったねー』
「だよね…」
『しかも英語だったしー』
「……………」
『先生、誰だったけー』
「……………」
『誰か教えてくれないかなー』
ちらっと夏穂を見ると…
「姫依ー!!!」
顔を真っ赤にして怒った夏穂は屋上を出ていった。
『待ってよー』
遅れないように私も走る。
ねぇ、神様?
この子の恋を邪魔しないで。

