もう不安はない。

私も前に進めた気がする。

だから…大丈夫。

─ひとりじゃないから─

「あの、さ。姫依。」

『あ、夏穂。って暗いね?』

「…山原先生、結婚するんだって」

行かなくていいの?、夏穂の目が訴える。

『…行ってくる』

おめでとう、って言わなきゃ。

『先生!』

「里中…」

『おめでとう』

「ごめんな」

『謝らないで下さいよ?』

「だって…」

『大丈夫、私はひとりじゃないから』

先生は笑った。

ほんと、おめでとう。

先生、大好きだったよ。