夏も終わり、涼しい季節。
私は一番好きだな。
楽しい行事もあるしね!
─体育祭─
夏休みが終わり、始業式。
校長先生の話が頭に入ってこない。
それは暑さのせいじゃなく…
私は先生を探しているから。
「姫依?始業式、終わったよ…?」
夏穂に言われるまで気づかなかった私。
『え?…ほんとだ。』
もっとしっかりしなきゃ、と気を引き締めて夏穂と教室に戻る。
「もうすぐで体育祭かぁ…」
思わず固まる。
そう、私は体育祭が嫌いだ。
『やだな…』
ふと出た本音。
「大丈夫だよ?私がいるからさ」
微笑む夏穂に私は頷く。
嬉しかった。けど、それでも不安は消えない。
『何出よう…』
秋は好きだけど今の時期は苦手。
自然に憂鬱になっている私。
「じゃあさ、借り物競走出よう」
その提案に笑顔で頷いた。