周りはどんどん幸せになっていく。
私は1人…………
どうすればいいの?
─言えない─
『夏穂…!おめでとうっ!』
夏穂は1年前から片想いしていた橘先生と両想いになった。
でも、付き合わない。そういう約束らしい。
どんな形でも二人が幸せならそれでいい。私
は心からそう思う。
「ありがとう…夢みたい…」
『なんて言いながら幸せなんでしょー?』
私はとびっきりの笑顔をみせた。
泣きたい、その感情を消すために。
「…無理して笑ってる」
『え?』
ドキッとした。
「焦ってるんでしょ。でも、それが素直に言えない。違う?」
『…正解』
「次は私の番だね!」
夏穂は立ち上がってそう言った。

