そうは言ったもののなかなか先生に声をかけられない。
明日で終わってしまうのに…
「嶋田さん」
この声は…私の大好きな人の声。
『先生…』
「少しいいですか?」
こくん、と頷いて前を歩く先生についていく。
フラれるってわかってるけどやっぱり怖い。
「君が生徒である以上、僕は君に答えをあげられない。」
真剣な瞳。真剣に考えてくれたことが嬉しい。
「ただ…卒業まで待ってほしい。必ず迎えにいくから」
『それ、って………』
どう、いうこと?卒業まで待ってほしい?
迎えにいく?
「その…僕も好き、だから」
嘘みたい。夢みたい。
思わず自分で頬を引っ張る。
「こらこら。そんなに引っ張ったらだーめ」
私の手をとって優しく微笑んだ先生。
目の前にいるあなたは橘先生、よね?
「これが本当の僕だよ。いつもは隠してるけどね」
『どんな先生も好き……』

