あれから部屋で安静にしていたため、今、私は元気に動けるようになった。
これも先生のおかげ、かな。
『おはよっ!』
同室の夏穂に挨拶をする。
「熱は……?」
『おかげさまで治りましたっ!』
心配そうに見つめる夏穂を安心させるように私は昨日と同じ笑顔を見せた。
「よかった…」
そういう夏穂に"ありがとね"と心の中でお礼を言った。
『それより~?』
「それより?」
ニヤニヤしながら言う私に夏穂はきょとん、と首をかしげる。
『橘先生とどうなったの?』
と私は小声で聞く。
「なっ…ど、どうって…別に」
なんにもなかったように言ってるけどなんかあったんでしょー!私にはわかるよー!
「わ、わかった!言うからっ!」
じっー、と見つめる私に夏穂は諦めて全部話してくれた。
「あの日のこと…話しただけ…!」
『あの日のこと…?』
夏穂が泣きながら話してくれたことがふと浮かぶ。
「あの日の子犬は元気ですか?って聞いたの…」
『で?!』
「"見られてたなんてね…まぁ、君だからいいかな。うん、元気だよ。"って」
きゃー!!!"君だからいいかな。"なんて橘先生、ナイスっ!
『告白しちゃいなよ!!』
「む、無理だよっ……」
『好き、なんでしょ?』
私の言葉に大きく頷いた。
「告白する」
『後のことは私に任せてっ!』

