想いを伝えるのって勇気がいるよね。
恥ずかしいし…怖いし。
でもそれを乗り越えたらきっといい事が待ってる気がするの。
─どんなあなたも…─
『楽しみだねっ、夏穂!』
私は隣で緊張しながらも嬉しさが隠せない夏穂に声をかけた。
『せっかくの野外活動だぞ?しかも愛しの橘先生と一緒だぞ!』
小声で私はささやく。
「分かってる…けど緊張しちゃう…」
なんて隣で言うんだぞ?可愛すぎるよ…!
『橘先生と話せるといーね!』
なんて願い、簡単に叶いますよ?
だって…私が話しかけるもん!
目的地までバスで行く。
澪華とはクラスが違うので一緒ではない。
一緒がよかったけど…
『…澪華にはまだ…?』
そう、澪華は夏穂の好きな人を知らない。
いる、ということは知っているけど。
「嫌われちゃうんじゃないかって、怖いの…」
『澪華はそんな子じゃないから。辛い恋は澪華が一番知ってるし、ね…』
「それ、どういうこと…?」
『その話はまた今度。』
明るい話をしたくて私は無理やりこの話を終わらせた。
「やっと、着いたー!」
『…疲れた…』
長時間バスに乗っていたため気分が悪い…
「これから自由行動だけど…どうする?」
『無理…動きたくない…』
せっかくの野外活動だけど…ほんとに無理。
「どうした?」
「姫依が…」
夏穂が誰かと話している。
その誰かがわからない。
…ダメだ、頭が…
周りの景色が揺れてる。って揺れてるのは私か…。それすらもわからない…

