繁華街を通り抜け寂れた公園のベンチに座り込めば涼しい風が吹き抜ける。

今は9月下旬。

夏の蒸し暑さは消え、紅葉が色づき始めている。

そっと息を吐いて来る途中で買った缶コーヒーを開けた。


これからどうしようか。
家に帰る?


自分の問いかけに自傷的な笑みがこぼれた。

家に帰ってどうする?

居場所なんてどこにもないだろう。

あの母親が男を連れ込んでいるあの家に帰るなんて冗談じゃない。

そう思いながらまた缶コーヒーを一口飲み込んだ。