その後、ちっさな子供のみたいに声をあげて泣いた俺を父は何も言わずに抱きしめて泣き止むまで背中を撫でていた。
「お前の母である弓月(ユヅキ)は今入院してるがお前が帰って来たんだ。
あいつもすぐによくなって帰ってくる。
そしたら、三人でどこか行ってみるか?」
「ぇ…入院って、何でだよ…?」
涙もようやく収まったころ父親はそういって俺を膝に乗せていた。
てか、もう涙止まったし親の膝に乗るようなちっちゃい子供じゃないんだがな。
「少し無理がたたって倒れただけだ。
弓月が倒れるのは精神からくるものだからな、蒼空が帰って来たんだすぐによくなる。」
そういって笑う父親に俺は目を伏せる。
入院という言葉が俺の心に影を落としていく。
そんな俺を安心させるように父親は笑って俺の髪を撫でた。
たったそれだけの動作なのに安心してしまう俺は、自分で思っていた以上に単純な人間なのかもしれない。
