「っ、うぐっ!!」
あいつを殴る手を止めない彼から感じるのは痛いほどの怒りだった。
拳をあいつの血で染めても、あいつの骨が折れても止まらない一方的な暴力。
「ヤバいな、組長が完全にキレてる。」
横を見れば冷や汗を流すオールバックの男。
その表情が今の状況の悪さを表していた。
もう一度目を向ければなおも殴り続けている彼の姿。
あいつを助けるつもりなんてない。
だけど…!
「……っ!」
殴り続ける拳を受け止めれば思っていた以上の重い衝撃が右腕まで登ってくる。
くそっ、拳重すぎなんだよ。
「あんたの手をこんな奴のために汚してんじゃねーよ!!馬鹿!!」
男を睨みつければ不意にその瞳が揺れて拳から力が抜けた。
