蒼空Side




「七瀬芹香(セリカ)…貴様どの面下げて俺の前にきた。」

芹香。それが俺の母親の名前だ。

だが、なぜこの人がそれを…?

「拓真、やっと来てくれたのね!
ううん!きっと来てくれるって信じてたの!」

冷たい視線を浴びせている男とは打って変わってあいつは歓喜に顔を染めてその名前を読んだ。

「チッ、言葉が通じねーか。
龍二(リュウジ)蒼空を頼む。
翼(ツバサ)下のやつら呼んでこい。」

彼はそういうと後ろにいた二人はしっかりと頷いた。

「お嬢、危ないですからこちらに。」

「え、お嬢…??」

意味がわからず無意味に視線をさまよわせていると金髪の男…拓真だっけか。

そいつがおもむろに俺のフードをとり直に俺の金髪の髪を撫でた。

その大きな手に不覚にも安心した俺は一体どうしたんだろう。


「いい子にしてろ。」


彼は小さく笑ってそういうとオールバックのほうに俺の誘導して前に出るとあの女を睨みつけた。