元カノは黙って涙を流した。


「華乃…ごめん、びっくりさせたよな…。」



「ううん。いいの。あの…」



華乃は元カノの目の前に立った。


「大樹はもう私のものぢゃないから、あげるとかそんな話出来ないです。私は帰りますから、ちゃんと話してください。さよなら。」


元カノは泣き崩れてしまった。



「店長、忙しいのになんか巻き込んぢゃってすいません。お疲れ様です。」


全てを黙って見ていた店長も、放心状態だった。


「ああ…うん。気をつけてね…。」




華乃は、しっかりと前を見て、去っていった。




俺は…華乃を追いかけようとした。


でもその前に…



「なぁ、俺…本当に華乃が好きなんだ。華乃が誰を好きでも愛してたいんだ。だから、もうお前の側には居れない。お前にもきっと、独占欲とか寂しいとかそんな感情抜きで、大切にしたい人が見つかるよ。頑張れ。」