あれから、俺は何事もなく過ごしていた・・・はずだった。

初恋もまだだった俺が転校生を一目で好きになり早5日。

桜木は転校初日以来ずっと休んでいた。

女子の間では『もともと不登校だった』という噂が広がってる。

でも・・・俺は違う気がしたんだ。

もっと何か、深くて訳ありな事情があるような気がした。

不登校も深刻な問題ではあるけどさ。

俺はもう桜木の事が心配で心配で―――・・・

「飯も喉を通らないんだッ!!」

「・・・そうかよ」

・・・昼休み、俺はいてもたってもいられなくなって坂井に相談した。

だが坂井は、良くわからないという顔をして、ひきっつった笑みをしてくれた。

おのれ坂井!!協力してくるといってたくせに!!

「そういわれても・・・」

「でもわかるな~その気持ち」

「ええ!マリちゃん・・・」

「おお!わかってくれるか、我が友よ!!」

「うう、話に入っていけない」