この頃、さくらといると気が狂う。 さくらといると、落ち着く。 なんで? 「そ、奏太、あたしこのレッドのCD持ってないから借りたいんだけどいいかな?」 さくらに声をかけられてハッとする。 「あ、うん、いいよ」 「ありがとう」 そう言うと、さくらは本棚からレッドのCDを何枚か取り出して丁寧に鞄にしまった。 その時、下でガチャ、と音がした。 「あれ?帰ってきたかな?」 「みたいだな」 部屋を出たところでただいまーと、七瀬の声がした。