「…でも…かな…」 「え?何?」 「…なっ名前で呼んでもいいかな?!」 少しして、華原はばっと顔を上げて、裏返った声でそう言った。 「全然いいよ。」 「いいの?!…じゃ、奏太!」 華原に名前を呼ばれて、少し嬉しかった。 香奈が死んで以来、女と関わろうともしなかったしな。 「…さくら」 そう言うと、さくらはえへへ、と照れ臭そうに笑った。