「枢木奏太です!3年生です!」


今まで近所に同い年くらいの子が越してきたりしなかったから、この時の俺にとってはかなり嬉しいことだった。


「香奈ちゃんは何歳かな?」

「…9歳」

母さんが聞くと、やはり小さな声で答えた。

同い年で、しかも通う学校も同じだとわかった。






香奈が隣に引っ越して1週間が経った。


「香奈ー!学校行こーう!」

「ちょっと待ってー!」

少し開けられた扉の隙間から聞こえる声は、香奈の声。