くるみの両親も、いつの間にかリビングからいなくなってもはや俺に勝ち目はない。
「あの」
「なんだ。くるみを返してくれるなら話してやって…「それはできません。」
言葉を遮って言うと、咲夜さんはむっとする。
「2人で話しませんか。」
「「え?」」
くるみと咲夜さんは俺の言葉が予想外だったのか、声を揃える。
「七瀬…?」
「あーいや、別に悪い意味とかじゃないんで。ただたんに、話したいなって。」
「…まぁ、いいけど。」
「…何かあったら携帯ね。あたし部屋行ってる。」
「ん。」
リビングを出るくるみを見送ってから、俺は咲夜さんに視線を戻した。

