「げ、お兄ちゃんまだいる。」
「……」
思いっきり顔を歪ませてくるみは俺に言った。
はぁ…
なんかもう、溜息しかでない。
「まぁパパ達いるし、なんとかなるよ。」
「…だな。」
「ただいまー」
扉を開けた瞬間、真っ直ぐと鋭く突き刺さる視線に俺はゾクリとする。
「…まだいたのかよ」
「……すいません。」
威圧的な視線に耐えられず目を逸らす。
「お兄ちゃんもうやめてってば。いつまでシスコンでいるつもり?遥さんに愛想尽かされるよ?」
「俺はずっとシスコンだ。それに遥は遥。」
「っ…はぁ…」
俺を見たままさらっと答える咲夜さんに、くるみもお手上げのようだ。

