「香奈は…俺の死んだ元カノだよ。」
「え…?」
「聞いてくれる?」
一瞬驚いたさくらは、すぐにシュッとした顔になって、うんと言った。
全てを話し、うつむいた顔をあげると目の前には涙を流したさくらがいた。
さっきあんなに泣いたのに、なんて思いながらまた涙を拭う。
「ほんとは…さくらの気持ち気づいてた。でも、怖かったんだ。また失うんじゃないかって。夢で香奈に背中押されたのにさ…そんな思いが強すぎて何もできなかった。」
「っ…あたしはいなくならないっ!!」
俺の手にそっと自分の手を重ねて力強くさくらは言った。
「これからの未来、あたしが奏太の隣を歩くよ。」
「…じゃなきゃ困る。」
「えへへっ…」
照れくさそう笑うさくらが、どうしようもなく好き。
泣くさくらを見て、俺が守ってやりたいと思った。

