ファンレター




一気に現実に差し戻された。

そう、私には和哉という彼氏がいたんだ。



やっぱり、さっきまでの時間は夢だったのかもしれない。



「彼氏……。羽田さん、彼氏できたんだ」



十の顔なんて絶対見れない。

話もできない。


私はうなずくこともしないまま、ただ黙って立つだけだった。



「もうつき合ってどれくらいだっけ?すごくうまくいってるんだよね、二人とも」



多美が悪魔に思えた。

和哉の顔も見たくない。

今すぐここから消えたかった。



でも、本当に消えたかったのは

私より……